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おいらはドラマ テレビのドラマ☆09秋版 [2010年02月01日(月)]

img20100201.jpg「外事警察」主演渡部篤郎 石田ゆり子。
 なんだかNHKがすごいことになってると思った。以前からこの土曜日9時の枠のドラマは好いものが多いと思っていたが、この「外事警察」。NHKとは思えない、というかこんなドラマ、視聴率やスポンサーを気にする民放ならなおさら無理だろうが。
 ストーリーは、「スパイ天国」と称される日本で、公安警察の中でも防諜の任務を担う外事警察(「ソトゴト」)とテロリストとの壮絶な情報戦争・騙し合いを描く。というわけだがこのドラマの基調がメチャクチャ暗い。そして配役が渡部篤郎、遠藤憲一、余貴美子、という暗さの似合う人たち。こんな重厚で暗くて陰惨でマニア向けしそうなドラマ、テレビで観れるんだとドキドキしながら観させてもらいました。よかったー。暗いの結構好きです、私は。img20100201_1.jpg
 そして「坂の上の雲」もすごいね。まだ終わっていないから感想は書かないが、この配役(細部に至るまで配慮が効いている)で、3年間にわたって放映するんだそうだ。1年に5〜6話?そんなこと、民放じゃ(ましてや不景気で体力の落ちた民放じゃ)まず無理。でもそんな試み、わくわくしますね。内容がどうとか、いう人もいるが、物語の醍醐味を魅せるという意味では評価すべきではないか?こういうコトされたら受信料、払わざるを得ないわなー。★★★★。

img20100202.jpg「JIN-仁-」主演大沢たかお 中谷美紀 綾瀬はるか。
 ということで民放であるが、今期視聴率ナンバーワンはこのドラマでありました。これも配役が、上記他、内野聖陽、小出恵介と豪華である。脚本も(多分)力を入れてる。TVドラマはやはり配役と脚本が充実していることが重要である。ジャニーズ一人連れてきて視聴率取ろうというのはもう通用しない。
 ただこの原作漫画はまだ連載中である。そちらの方を読んでいないからそれと比べてどうとか、関連性とかいいにくいが、どう終わらせるのだろうとは思っていた。そしたらなんと、何も解決しないで終わっちゃった。現代にいた包帯の男が誰だとか、エイリアンみたいな赤ん坊は何だとか。続編作ろう、という意図もあるのだろうが、多分いいラストが考えつかなかったということもありそうである。ま、いいや、大沢たかお、いい役者だし(この役柄に固定されたくないとか言い出しそうだが)、続編があるのなら楽しみにしたい。ただ、写真が状況によって変わっていくというのは「バック・ツー・ザ・フューチャー」パクリですね。これは頂けない。その分減点。★★★1/2★。

img20100202_1.jpg「交渉人2」主演米倉涼子。
 上記JINと較べて、配役が冴えない。いや役者はそれなりに揃っていなくはないのだが、それぞれのキャラがまるで立っていない。陣内孝則も笹野高史も高橋克美も前回と較べて迫力がない。新キャラの浅野ゆう子(これがふつう?)も塚地武雅(何のために出した?)もイマイチである。それにそれぞれのストーリーが小振りで、また全体に通底しているサマークロスという存在もどこかで聞いたような設定。その正体もコイツかよみたいなチャッちいラストであった。ま、文句いうくらいなら観なきゃよかったのだが。
 それから死刑囚、城田優扮する真理谷恭介も少し売れたせいか、おちゃらけたキャラになっていたが、だいたいこの設定、死刑囚に相談持ちかけるというのは「羊たちの沈黙」のレクター博士でしょう?こういうこと平気でやってるうちは国際的に通用しないだろうな。★★1/2★。

img20100202_2.jpg「東京DOGS」主演小栗旬 水嶋ヒロ。
 これも視聴率よかったようであるが、そんなに面白いかと思いながら観てた。ただコミカルな演技も出来る小栗旬と、お猿みたいにキーキーいう水嶋ヒロの、二人の掛け合いの間が意外とよくて、その点は評価しても好いのかな?とは思った。しかし(そういう設定なわけだが)街中で拳銃を平気でばんばんぶっ放す違和感とか、仲村トオルの犯人役もいかにもという感じ。だいたい、吉高由里子の彼氏には歳食い過ぎてない?また緊迫した場面で母親から間の抜けた電話があるとか、妹カップルのおふざけとか、コメディとして成功していないと思う。母親役の田中好子、落ちもない中途半端な役柄だったな。そんな中で吉高由里子は雰囲気あったかも。ここ大事にすると大物になりそうだが?★★★。

img20100204.jpg 最後に年末にあった「M-1グランプリ」、優勝は「パンクブーブー」だったが、彼らには荷が重すぎないかな。そんなに(多分)引き出しないし、オーラもない。何度かコントみたことあるが、はっきり言って笑えるというレベルではなかった。ここは初出場だし、最終決戦の3位くらいで、でかしたと言われるくらいがスワリがよかったのではないか?そうしてるうちに実力もついてくるかもしれない。しかしいきなり頂点ではお笑い好きの厳しい目に耐えられるかと思う。
 また今回の「笑い飯」、ここでまさかの下ネタはなかろうと思いはしたが、今回はこの二人を優勝者とした方が、これもスワリがよかったと私は思う。ま、もうM-1で観るの飽きたというのも個人的にありはするが。
 あと少し感想を言うと「ノンスタイル」は去年と特に変わった印象もなく、敢えて出る程でもなかったんじゃないかと思った。「ナイツ」も、これ以上の発展は望めないという安定感?「東京ダイナマイト」はもっと面白いはずだが、どうしたんだろう?「ハライチ」片方が捨て台詞みたいの吐いてたが、エラソうに言う前に、たまには違うパターンの漫才やんなよ、キミら、と言いたいな。あとはあまり印象なし。ごめん。そーゆーことで、何だか年々、小振りになっていくM-1だなと思いました。 

食べているのが好きなのさ☆鹿児島居酒屋・騎射場近辺 [2010年01月23日(土)]

img20100123.jpg騎射場電車通り、鹿児島銀行の並びのビルを少し奥に入ったところにある「楽膳わきた」。お店に入るとふんだんに木を使った内装で何だか気持ちがいい。この日は連れ合いと二人だったが、二人席には案内せずゆったりとした4人席へ。いろいろオーダーしたが最初にキンキンに冷やしたジョッキになみなみと注がれたビールとお造り。まさにこれを最初に食したかったわけで、こういう気遣い、簡単なようで出来る店意外と少ない。お造りの並べ方もきれいである。img20100123_1.jpg
 突き出しは薩摩揚げに梅のモロミ。メニューは一見平凡な品揃えで、気負っていない、中身で勝負、ということかも知れない。しかし中にはカマンベールチーズのフライ(タレはイチゴジャム=珍味でした)なんて変わったのもあった。またこの店の売りの「黒豚のトロトロ煮」これはまあ絶品といっても好いかも。よそでは多分食えないとろみと味でした。
 ほかに「冷やしトマト(甘みの強い種とか)」「豚足(焼き)」「揚げ出し豆腐」「おにぎり」と食べて、焼酎お湯割り飲んで、8500円。騎射場ではやや割高の店というお値段だが、料理、お店の佇まいを考えると不満はない。ただ女性スタッフ、少し愛想がなかったな。そこだけ不満かも。電話099-250-0312。

img20100123_3.jpg 電車通りから入って騎射場公園を右に曲がったところにある「謙吾」。小さいお店。入ると、これで全部?という感じで狭っくるしいといえばそうだが、子供の頃の秘密基地風?でもあって面白い、とも言えそう。この日は打ちっ放しに行った帰り、友人と二人行ったのでした。img20100123_2.jpg
メニューは最近の居酒屋風であるが、ところどころ気の利いた感じである。(酔っぱらってあまり詳しく覚えていないが)サラダ、牛のタタキ、天ぷら(数種の塩で食す)、野菜多めのチヂミ、揚げ物、お魚の卵とじなど。ただね、この店、それぞれの量が多いのね。二人でこれだけ頼むと食べきらない。この7掛けで好かった感じである。そのうえ二人とも飲み助なのでビールジョッキ4杯に焼酎五合瓶キープして飲みほしちゃった。お支払いは10000円超えたが、ま、仕方がないわな。飲み代が半分ついちった。電話099-254-7791。

img20100124.jpg 騎射場どんぐり横丁の真ん中辺、路地を少し入ったとこにある「勝ちゃん」。中にはいると厨房前に小さなカウンターとL型の座敷席。昔ながらの居酒屋の内装、雰囲気で、こういうお店もくつろげていい、という印象である。この日は家族3人、一週間のお疲れ様飲み会である。こういう目的には相応しいお店ですね。img20100124_1.jpg
 メニューは1m位の幅の黒板にチョーク書きのをオネーサンが目の前に持ってきてくれてそこから選ぶ。好いねー、らしくて、と思わず笑顔になってしまう。お造りは希望で盛ってくれるとのことで、ツブ貝イカマグロにヒラメの昆布シメをオーダー。他に、豆腐とお豆のサラダ、軟骨の味噌煮、フグの皮、鱈の白子、山芋の磯辺巻き(具は納豆)など注文。何だか癒し系という感じのメニューです。シメはお茶漬け。海苔がいっぱいの梅茶と明太茶。飲み物はビール3杯に2合の焼酎。これで締めて1万円ちょっと。おお、お会計も癒し系である。こういうお店、また来そうだな。電話099-259-0556。

いつでも楽しい夢を見てY鹿児島ランチ・イタリアン・洋食編 [2010年01月05日(火)]

 このブログを読んで頂いているささやかな数の皆様方、明けましておめでとうございます日の出。今年もよろしくお願い申し上げます。

img20100105.jpg 旧谷山街道沿い、南鹿児島駅近くにある「徳永食堂」。良好とは言えないロケーション、名前も何だか昔風だが、これが意外におしゃれなレストランである。イタリアン風ではあるが聞いたら西洋料理とか。そう言われたらフレンチっぽくもあるのかも知れない(そこまで行くと私には判別不能であるが)。この日は人気というランチに行きました。お値段は日替わり1200円、あとややグレードが上がって1500円1800円の3種類がメイン。3人で行ったので、それぞれをオーダーしてみました。img20100105_1.jpg
 昼下がり、席は満席であるが余裕のあるテーブルの配置で、好い感じの昼下がりのお店の雰囲気である。日替わりランチは押し麦ののっかったサラダにポテト、パンにオリーブオイル、チキンの香味焼きは下に赤米?が座ってて、茄子やレンコンの炒めたのが添えてあり結構ボリュームがある。さらにデザート(これもなかなかの量)とドリンク。そこそこお腹いっぱいになって、これでこの値段はいいかも。また1500円1800円は日替わりに+された感じのコースで、どちらがどちらだったか忘れたがそれぞれ茄子の上に魚のオイル焼きと、牛ヒレをマスタードで食べるもの。私はあちこちつまんだのでさらにお腹いっぱいになったのでした。夏だったのでデザートのひとつ、シャーベットを美味しく食べて出来上がり。人気店であるのが理解できる満足感でありました。電話099-206-8359。

img20100105_3.jpg 谷山から最近日ノ出町に越してきた「パパピアット」。私の誕生祝いということで娘よりディナーのご招待で行ってきました。紫原に向かう道沿いの住宅地?っぽいとこにあるお店。イタリアンなのだが、何となく居酒屋風のくつろげる感じの店造りです。やや薄暗く個室があったりね。メニューは単品も美味しそうなのがいろいろあったが、この日はコースを注文。「パパコース」「マンマコース」「ピアットコース」とありそれぞれ3300円3700円4500円で飲み放題付きであります。
img20100105_2.jpg この日は真ん中のマンマコースをオーダー。メニューは「炙りサーモンと彩り野菜」「サンマのカルパッチョ」「黒豚アゴ肉のコロコロ焼き」「ガーリックトースト」「ホタテの味噌クリーム焼き」「砂ずりのピリ辛マヨネーズ」「明太子としそのカツオ風味ピザ」「渡り蟹のマリナーラソースパスタ」。これだけついて飲み放題は安いね。これじゃお腹いっぱいになりそうと思ったらやっぱりそうなりました。
 最後は娘がサプライズサービス頼んでいてくれて、いきなりお店暗くなり 「happy birthday」の合唱が・・。いやー照れるやら嬉しいやら。気恥ずかしいが、でも、みんなありがとう。また、こんなサービスしてくれるお店も嬉しいですね。電話099-251-0705。

img20100105_4.jpg 鹿大水産学部近く、県体育館裏にある「リストランテ松本」。こんな近くに、しかもやや辺鄙な場所におしゃれそうなイタリアンがあったのかと、驚いたあげく娘の帰省を待って早速ディナーに行ってみたのでした。お値段は5250円から、とやや高め。調べるとイタリアで修行したシェフが本格イタリア料理を食べさせてくれるらしい。
 お店は住宅街の一角にひっそりとありました。入ると席も広々とスペースがとってあり、雰囲気よし、です。テーブルも3組分しかなくこれではよく満員になるはずである。
img20100105_5.jpg とりあえずビール頼んだが、イタリアのビールしか置いてない。細部から本格的である。前菜は「海鮮とハムの盛り合わせ?」粒マスタード添えのハムや長崎産のしめ鯖、ウニ、キビナゴなど。なかなか珍しく美味しい。次にカブとカリフラワーのスープ、シチリアのカラスミ入りのパスタ、具はイカと空豆、岩手牛のステーキと続く。鹿児島にいながらこんなにいろんな土地の美味しいものを食べられるなんて幸せである。
 ただ岩手牛、やや脂っこかったかな。最初は旨味がふわっときたが後半ややくどかったかも。そしてデザートがチーズケーキだったが、脂っこいもののあとだったのでさらにくどく、もっとさっぱり感のあるデザートが欲しかったなと思いましたね。もっとも当方の胃袋が最近の飲み過ぎで弱ってたせいもあるかもしれないが。
 でもこういう場所でこういう料理を主張している店というのも貴重かも知れない。このお値段でもう13年やってるらしいから、それなりの地力があるんだろう。また次の機会を持ちたいな。電話099-259-0848。

私の心は初心なのさ☆鹿児島ランチバイキング編U [2009年12月27日(日)]

img20091227.jpg 鹿児島ランチバイキングはあちこちあるが、ここ「サンデイズ・イン」は山之口町、二官橋通りから少し入ったところにあり、場所的に天文館というのが嬉しい店である。しかも60分1000円ぽっきりで、日曜日祝日も同じようにやってる。ホテルだから駐車場もあり、1時間の駐車券も貰えるから天文館あたりに出かけたときは利用しやすくていい。img20091227_1.jpg
 料理の品揃えも、悪くない。この日は、サラダいろいろ、サーモンのマリネ、焼きそば、スパゲッティ、ピザ、焼肉、ガメ煮?、卵焼き、などなど。またカレー、鶏飯(奄美料理=ご飯に具を載せて鶏スープをかけ、お茶漬けみたいにして食べる)も嬉しいが、これ沢山食べるとお腹いっぱいになっちゃうので少しずつ食べたりね。もちろんドリンク代込み、デザート、果物もそこそこ種類がある。
 席はソファーが多く、ゆったり出来る。席数が多いので、混んでてもそう待たされない(と思う)。安い割にチープ感が少ないかもと思いながら、仕上げの珈琲、頂いたのでした。電話099-227-5152。

img20091227_2.jpg ここも天文館、旧三越のはす向かいにある「盛蔵(もりくら)」。居酒屋であるが昼はランチバイキングやってる(案内を見ると夜もバイキング形式になったようだが)。自前の農場もあるというお店で一回行ってみたかったのである。コースは90分1380円と60分1000円の2コースがあって、とりあえず1000円コースを選んでみました。
 ここはまず「出来たてメニュー」5種の中から2種を選び、あとはバイキングでという方式。出来たてメニューは「(温)蕎麦」「寿司」「ローストビーフ」「鶏の炭火焼」「出汁巻き卵」というラインナップ。それぞれ小さなお皿に小さく盛ってありました。img20091227_3.jpg
 あとの品揃えは「よりどり50種」のなかからのバイキング。そんなに数あるかなと思ったがあるのでしょう。サラダ、唐揚げ、春巻き、茄子のおひたし?アサリのバタ焼き、等々。それぞれまあまあの味ではあるんだが、この日はお客が少なかったせいもあるのか、お皿の入れ替えが少なく、作り置きを食べてる感がややありました。またここもカレーと鶏飯(流行り?)があり、ここのカレーは昔風?の黄色い感じのカレーで、これは私的には好きですね。
 あと不満を言えば駐車場がない。こういう費用負担が案外客足に響くかも。でもまあ、1000円バイキングだからね。文句いうことはないとは思います。買い物のついでにでも寄ればいいわけだから。電話099-222-9775。

img20091227_4.jpg 鹿児島県庁18階にある眺望絶景のレストラン「ラテラス」のランチバイキング。経営はサンロイヤルホテルである。道理でなんか既視感のある料理です。料金はドリンクバー付き1522円。やや高いがここはまあ眺望代でしょうか。しかし料理もグレードは高い感じ。ありきたりではなくなんかオシャレ感が漂っています。img20091227_5.jpg
 まず「チョイスメニュー(月替わり)」というのがあって、このときのテーマはライスボール。「穴子」「秋鮭とキノコ」「豚肉と温泉卵」がそれぞれライスボールの載ってるものから一品選ぶ。私は「穴子」をチョイスしました。
 他の品揃えも、小鉢にちまちまとキノコやトマトピューレ?などを入れたものが並び(かわいい?)、またサラダ、ソーセージとインゲンの炒め、海老のフライ、里芋の田楽?肉まん、あんまん、ピンクに色づけされたの焼売、などサンロイヤル的オシャレ料理の数々。
 店はややウナギの寝床みたいな感じの細長いフロアで何だか狭っ苦しいが外の景色がよく見える利点はあり?ただ14:00くらいになると食材を片付け始めるのでそれは興ざめである。だからなるべく早めに行った方が好いが、お店の人に言わせると席が取りにくいので要予約とか。しかしこの日、そんなに混んでなかったけどね。ま、お値段くらいの値打ちはあるかな?電話099-286-6100。

噂を信じちゃいけないよY 鹿児島テイクアウト良店 [2009年12月20日(日)]

img20091220.jpg シフォンケーキというのは「バターを使わず低カロリーな植物油で作られるスポンジケーキの一種。普通のスポンジケーキに較べ背が高く、中央に円筒状の穴が空いている」というケーキでメレンゲによるふわふわ感が命?ダイエットにもいいし好きな人も多いと思う。そのシフォンケーキをメインで作っている菓子工房「凛」。場所は川辺町で、川辺の商店街に入る少し手前(国道から一筋入る)にある小さなお店。少し遠いが行くだけの値打ちありである。img20091220_1.jpg
 ここのシフォンケーキはいろいろ種類があり「プレーン」「抹茶」「ラムレーズン」「ショコラ」「アズキ」「紅茶」「バナナ」「にんじん」「豆乳」と豊富であり、どれを買おうかといつも迷ってしまう。お昼頃行くとちょうど焼き上がった頃で、出来たてのシフォンケーキの美味しさといったらたまらない。もちろん買い置きしてあっても、よそのよりはずっと旨い(と思う)。お値段もこの大きさで300円前後とリーズナブル。お店スタッフの対応もすごく親切で気持ちがいい。ただ遅く行くとよく品切れになってるから注意です。なお川辺道の駅「やすらぎの里」にも置いてあるが、直接行って買った方がずっと美味しさが味わえると思う。電話0993(56)2900。

img20091220_2.jpg 笹(の葉)寿司といえば鹿児島にも幾店かある。そのなかでも城西通り、鶴丸高校隣にある「笹の葉寿司 美浜」。週末などいつもお客さんが並ぶ人気店である。(多分)一番古いし、品揃え、味も本家とあるだけのことはあると思う。ただ他県にもあるから、どこが発祥なのかまではよく知らないが。img20091220_3.jpg
 写真には私の好みで「さば寿司」を載せたが、笹の葉に包んだ四角いシャリに海老、鯛、穴子などが載ったお寿司「笹寿司」がメインであろう。他にも押し寿司の海老、鯛、ウナギ、巻き寿司、茶巾、などあり、それらを組み合わせたセットもいろいろある。こういうお寿司はにぎり寿司に較べて日持ちが良いし、お値段もほとんど三桁と買いやすい。
 私の好きなさば寿司はいわゆるバッテラであるが、ここのは肉厚が厚く酢のシメ具合もちょうど良い。ただ最近メニューからこのさば寿司の小サイズというのが無くなったのがやや不満であるが。電話は099(252)7180。なお真砂町にも「やまを」というやはり笹寿司の店があるが、そこも美浜の出身の人がご主人である。なかなか人気店に育ちつつあり、小さば寿司があるのも嬉しい私である。そちらの電話は099(251)8337。

img20091220_4.jpg つけ揚げは薩摩揚げというくらいであるから、我が鹿児島の名産品である。であるから○永屋、有○屋、月○庵、と有名どころが沢山ある。しかしながら、そのどこの有名店よりずっと美味しいと私が思うのは柳町にある「早崎屋」である。ぷりぷりとした食感、ほどよい甘み、ツナギ臭さもほとんど無い。これはいまだに機械生産でなく手作りだからであろうか?この店にそれなりの時間に行くと、大ざるに一杯揚げたてのつけ揚げげが扇風機で冷まされているのに遭遇する。ああ、昔ながらのつけ揚げ屋さんの光景である。img20091220_5.jpg
 聞いた話であるが、鹿児島出身の複数の有名人からよく注文が入るらしい。またお歳暮の時期は店売りは一切出来ない(贈答品でキャパが手一杯ということ)。そのお歳暮も11月末までにオーダーしないと年内発送は無理という。また年末大晦日近くはお正月用のつけ揚げやコガ焼きを買おうと夜更けから人が並ぶ。私も数時間並びそれでも売り切れて買えなかったことがある。いくら鹿児島でもそんな店、他にはない。
 であるから本当はこのお店、教えたくない。ますます買いにくくなるか、または機械生産に切り替えられたら嫌だから。
普通の時期にこの店に行くと、あまりオシャレとは言えない昔ながらの店構えに、鹿児島弁のおばちゃんが優しく接してくれる。ときには揚げそこないをサービスでくれたりする。あ、あまり誉めちゃうとまずいな。客増えちゃうし。電話番号も書かないでおこう。

鏡のような夢の中で 微笑をくれたのは誰?☆鹿児島癒しの宿 [2009年11月29日(日)]

img20091129.jpg 坊津に変わったペンションがあると聞いたのはしばらく前だが、そのあと、お客さんは1組しかとらない、料理がすごく美味しい、テレビも時計もない癒しの宿、とかの情報が入ってきて、これは是非とも行かねばと、予約して行ってみました。
 世代の違う身内4人、やや寒い秋日、加世田からくねくねと続く山道に入り、高台で一服するとはるか眼下に見えました。湾の入江?にぽつんと建つ赤い屋根のペンション「Salt&Pepper(ソルト&ペッパー)」です。そこからまたしばし走りやっと到着。img20091129_1.jpg近くで見ても瀟洒な建物で、ご主人(と看板犬ジンジャー)が笑顔で迎えてくれました。さっそく2Fの客室部分に上がったのでしたが、家の中やお庭、アートでいっぱい。霧島アートの森を想起しましたね。
 内部に入った感じ、宿泊施設っぽくなくて、聞いたらやはり元々個人の家(二世帯住宅?)のつもりで建てたそうです。そのため何だか友達の家におじゃましたみたいな雰囲気になりました。そこのフリースペースでまずレモングラスのお茶、いただきました。

img20091129_2.jpg 到着は6時頃だったが、食事は7時から。あまり早くなくて有り難い。お風呂入ったりしてくつろいだあとお呼びがあってテーブルについたら彩りのきれいな野菜が置いてあった。きれいすぎて作り物みたいに見えたがこれがハバネロ、島唐辛子など各種唐辛子なのでした。全部ここで栽培された物だそう。こういう唐辛子(ペッパー)や香辛料の使い方がここの料理のキモのようで、それが名前の由来なのかな?なおスタッフはここのオーナーご夫婦ふたりだけ。それでなおさら親しいお宅でおもてなしされてる気分になれる。img20091129_3.jpg
 まずはソルトを縁に巻いたグラスに注がれた梅酒で乾杯。前菜はイタリアのイチジク(熟してても皮は緑のまま)に生ハム添え。ここで、私たちがパール婚祝も兼ねた旅でもあることを伝えてあったので、ご主人、サービスでシャンパンを抜いてくれた。うれしいね。

img20091129_4.jpg このあとも様々な料理が次々と出てくる。多すぎて写真を全部載せきれないのが残念であるが、説明だけしておこう。
 前菜の次は「プロバンス地方の家庭料理というスープ」「フランスパンにオイルぬったのに香菜!のジャムを載っけて食べる」「キビナゴのオイルサーデン」「摺りキュウリの上に載っけられてた鰯のカルパッチョ」。
 まだまだでる。「甘エビのカルパッチョ風オイルかけ」「アボカドと魚の生春巻き」そしてメインのお肉は「鶏をぱりっと焼いたのにチーズスライス載っけ」なんというか、初めての食感、初めての食材、味というのが多く、へぇー、ふーんと感心しながら進んでいくのでした。ここで口直しに青汁のシャーベット、私ははシャンパンも飲み終わって球磨焼酎水割りに移行しました。img20091129_5.jpg
 そのあとは仕上げにキビナゴの手まり寿司、これでほぼ終わり。あーお腹いっぱい。これ全部隣室のキッチンで奥様が作っている。あとで聞いたらお客様の構成、好みに合わせて、直前に食材を吟味、仕入れるのだとか。美味しいはず。今回、家内の母親も居たのでそれなりの配慮もして貰えた。ご主人の料理の説明も詳しく楽しく、更に美味しく感じられたのでした。
 このあとサプライズで(家族が事前に頼んであったのですが)「30」と数字の入ったケーキの登場。みんなでケーキ食べて、さらに酔っぱらって、時間はもう11時が過ぎている。内には家族やオーナーご夫婦の笑顔、外には真っ暗な坊津の海の潮騒。いやーこれはまさに至福の夜ではありませんか?



img20091130.jpg 翌日はブランチ、つまり朝昼兼用の食事が供される。朝食はない。何故かというと、みなさん、前日にこのように遅くまで飲み食いするために、翌日は遅起きでお腹もいっぱいで、ブランチがちょうど良いということなのではないかと勝手に推測。ちなみにチェックアウト時間は12時で、しかしみんなゆっくりしたがるので適当にチェックアウトするのだとか。つまり朝早く出発してどこかに観光に行くより、このペンションで過ごすことが旅の憩いとなっているわけですね。そのため一組のお客さんが帰る日は別のお客さんは入れない。ということは2日で一組しかとらないということで、ある意味すごいね。朝は、ゆっくり起きて、ペンション内や晩秋の肌寒い坊津海岸を散策しました。img20091201.jpg
 
 そういうことでブランチです。カレーなんだけど、まず青汁ジュースで昨日の酒気を抜いて、スープ(エノキダケをすりつぶして作ったもの、珍味!)にハーブサラダ。サラダはジャガイモのスライスが載っててカスピ海ヨーグルトがドレッシング。結構量があって、この時点でかなりお腹ふくれる。img20091201_1.jpgそしてメインのカレー。17種のスパイスが入ってて、いわゆるカレー粉は入っていないというから、それじゃカレーじゃないですね、というとそうですね、とご主人が笑う。辛味はおばあちゃんがいるので少し抑えましたとのこと。ライスはウコンを入れて炊きあげてある。つまり薬膳カレーでありますね。ここの料理のコンセプトは「エコ」「ヘルシー」、つまりはロハスってことかなと思いました。img20091201_2.jpg
 またしてもお腹いっぱい、もうはいらない、と言ったがそれからも、渋抜きした渋柿、イチジクシャーベット、部屋を変えてカボチャプリン、コーヒーをいただいたのでした。昨日からの食事の質、量を考えると、これだけで宿泊費用16500円の値打ちはゆうにある。お得感ありというより、こういう世界あったんだという感じである。img20091201_3.jpg

 そうこうしているうちに1時をとっくに過ぎて、そろそろ帰らねばなりません。表に出ると曇り空。ブランチの間おねんねしてたジンジャーが、お別れを惜しむようにやってきて、うん、でもまた季節が変わったら来ると思うよ。
 また山道を辿って峠のあたりから海を見たら、厚い雲の間から細い光が射していた。これがいわゆる天使の梯子。なんか出来すぎの光景でしたが、こういうの、一生に何回かはあっていいよね、と言いながら、おじさんは照れてしまったのでした。
 なおこの「ソルト&ペッパー」探しにくそうだから電話番号書いておこう。0993-68-0188です。書いたようにキャパ小さいですから早めに予約ですね。


涙のかわくまで かわくまで [2009年11月16日(月)]

img20091116.jpg「告白」湊かなえ。
<我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る>
 長期にわたるベストセラーであり「このミス」でも上位?なのだが、読んでみて、ん?という感じ。読みやすいが特に目新しい感じもしない。各関係者の独白、又は語りで構成されているがよくある手である。冒頭の、担任の先生の生徒に対する「お別れの挨拶」で、我が子を殺した生徒に宣戦布告をするというのはやや意表をついているかもしれないが。
 内容もHIVの血液をどうしたこうしたという話であるが、いまやそれ程恐れられていないし、それで必ずしも感染するわけでもない(そう書いてはあるが)。攻撃された生徒二人のうち一人は壊れ、一人はもともとそういう転落を望んでいて、世間に対して反撃に転じる。そして・・。
 最後の落ちもやや既視感あり、というか何だか意地が悪いなと思った。ま、気持ちの良い登場人物は一人もいない。ややマシな子も殺されてしまった。ただ、読んだあと奇妙な感じが残った。これは何だろう?まだ物語が終わっていないような。それがこの物語の魅力かと思ったが。★★★1/2★。

img20091116_1.jpg「少女の友ー創刊百周年記念号」実業之日本社編集。
<伝説の少女雑誌が1号だけ復活!明治41(1908)年の創刊から、昭和30(1955)年の終刊まで、日本の出版史上もっとも長きにわたり刊行された少女雑誌、『少女の友』の傑作記事を、たっぷり載録>
 かつてあった雑誌「少女の友」の明治大正昭和ベストセレクションである。創刊は明治41年、終刊は昭和30年。実に50年近く発行された雑誌で、それこそ江戸時代の残滓が残る頃から、終戦後、東京タワー完成の数年前までである。私はリアルタイムではしらないが、すごい雑誌があったものだ。中原淳一、蕗谷虹児の少女画はすべてが美しく、またそのほとんどの目線が斜を見つめている、という指摘も面白い。吉屋信子や川端康成(代作?)の小説や読者の投稿の文章や詩や短歌などに当時の少女の心様が馥郁と香る。少女である読者はこの雑誌を胸に抱いて、公園を散策したりしたのであろう。うーむなんだかドキドキするな。
 少女が少女らしかった時代、それは男が男らしくあれた時代でもある。ジェンダーフリーなどまだ遠い先のこと、それはそれで秩序が形成されていて、好い時代だったと言ってもいいのではないでしょうか?★★★★。

img20091116_2.jpg「おじさんは白馬に乗って」高橋源一郎。
<年金詐欺に憤り、納豆健康法にまんまとはまり、アダルトビデオを大いに愉しみ、子育てに追われ老後を思う―。世界最強のおじさん・タカハシさんの(哲学的)面白エッセイ>
 週刊現代連載のエッセイで、いわば下世話な話題を気楽に取り上げたという体裁である。文章の中では自分を「タカハシさん」とし、内容を更に客観視したような書き方、べつに真剣に考えて書いたんじゃないよ、と言いたそうでもある。浴衣で寝転がって団扇であおぎながら語っている雰囲気で、それにしりあがり寿の4コマまんががそのユルサを増幅してくれる。
 2006年10月〜2008年6月に書かれたものが収録されていて、内容には固有名詞がふんだんに出てくる時評でもあるわけだが、読んでて意外と古びていない。時評というのは新しさが命で、古くなると新聞のように読む気がしなくなるものだが、時が経っても面白く読ませるというのは著者の職人技のなせるものか、また取り上げた話題が、ザックリとしているようで普遍性を帯びているものなのか、タカハシさん、ただものではない作家であると思った。50歳を超えて、2人の幼児がいて、他にも子供が複数?いるおじさん、そのバイタリティというか、成り行き任せというか、それを考えてもただものではないわな。★★★1/2★。

img20091116_3.jpg「モダンタイムス」伊坂幸太郎。
<検索から、監視が始まる。 漫画週刊誌「モーニング」で連載された、伊坂作品最長1200枚>
物語はいきなり主人公、29歳の会社員、渡辺拓海が妻佳代子から送られてきた刺客に襲われるところから始まる。妻は渡辺の浮気を疑っているようなのだが、またそれは事実なのだが、それにしても刺客を送る妻とは?そんな疑問が頭に残ったまま、後輩の社員大石倉之助、先輩の五反田正臣、刺客の岡本猛、友人の作家、井坂好太朗などが絡んで物語は進む。
時代は具体的には示されないが2050年頃?渡辺はIT関係の社員であり、ある不可思議な依頼に取り組むうち、ある言葉の検索が何かの意味があると気付き始める。その間、拷問など陰惨なひりひりしたシーンと脳天気な男達の会話。そして物語が相当進んだ頃、播磨崎中学校の大量殺人事件がどうやらこの物語のキモであることが読者に解る。その事件で英雄となった永嶋丈、そして渡辺の係累にいる超能力のある一族安藤家の話、そんなことが絡み合いクライマックスへ。
 しかし超能力が事実なのか、また妻佳代子の異常な能力のわけ、またこの事件をしくんだものたちの正体などはあかされないままエンディングである。繰り返し出てくる「システム」により彼らは依然として取り巻かれている。
 真実が明かされないと言っても中途半端な感じはない。これはこれでいい物語なのである。次から次へと覆い被さるように出来事があり、ぎっしりとして飽きることがない。その点少し違った書き方の小説だなと思っていたが、はたしてこれは週刊コミック雑誌に連載され、その都度担当編集者とアイデアを詰めたという。つまり、マンガの方法論で書かれた物語なのである。それを後書きで読んで、目からウロコの感じがした。そうか、そういう書き方があったのか?日本コミックのノウハウの累積は膨大であるから、今後もこの鉱脈を探し当てて、より面白い物語が紡がれるに違いないと、嬉しい気持ちになったのであった。★★★1/2★。

img20091116_4.jpg「悼む人」天童荒太。
<聖者なのか、偽善者か?「悼む人」は誰ですか。七年の歳月を費やした著者の最高到達点!善と悪、生と死が交錯する至高の愛の物語>
 主人公坂築静人は、亡くなった人、主に事件や事故、また自殺で亡くなった人を「悼む」という作業を続けるために旅をしている。事件や事故でなくなった人が対象なのは、悲劇的な事柄であり、報道されているからその場所が特定しやすいと言うことだろうか?普通に病死した人をいちいち悼んでいたら物語的にきりはないからか、それについては言及されていなかったと思う。
 物語は、週刊誌記者蒔野抗太郎との出会い、また不良記者蒔野が静人に感化されていくこと、母親坂築巡子のガンとの闘病生活、その末期の状況、夫殺しをしてしまった奈義倖世との出会い、倖世の方に出現する亡くなった夫朔也(倖世の幻想?)。そんな人々と静人との関り方。倖世は静人のあとを付いていく生活を選び、最後に愛のように結ばれるが・・。
 静人は亡くなった人に対してその関係者知人などに「亡くなった人は誰に愛され、また誰を愛したか?どんなことで人に感謝されていたか」を聞き、それを胸に刻み、悼む。右手をあたまのうえに挙げ、胸の前まで降ろし、次に左手を地面に近づけてから、胸の前に上げて右手の上に重ねる。それが悼みのポーズであり、儀式であり、静人は個人のことを深く胸に刻むのである。それが何になるのか、宗教団体かと怪しまれ、時にはののしられる。
 生と死を正面からテーマにした物語であるが、この取り組み方はなかなか難しい。普通に病死した人の死は悼まなくていいのか?死刑にされた人、極悪非道としか思えない人の死も悼むのか?とか矛盾が出てくる。そのうえで作者は主人公の行為を根気よく解説していく。まるでタイムマシンのパラドックスをひとつひとつ納得させていくSF作家の作業のように。それでも露出する矛盾に、主人公自身の言葉として、矛盾は承知だと言わせている、一種の病気だとも。また、死者やその周辺にのめりこまないように自分自身で一定のルールを決めていると、主人公は言うのである。
 読み終えてやや疲労。労作だなあ、と思った。そして丁寧で、誠実で、謙虚な物語なのだろうと思いました。★★★★。

あきらめる 約束の [2009年11月08日(日)]

img20091108.jpg「就職がこわい」香山リカ。
<職に希望を持たない若者。就職する意志もない若者。働くことをあきらめている若者の「就職不安」の本当の原因とは!? 仕事に揺れる若者の「生き方と心」の悩みを分析する>
 就職をしたくないという若者、就活に破れることで傷つき諦めてしまう若者が増えているという。しかし就職は、昔の若者だっていやだったに違いない。それまで無責任に遊んで暮らしていたのにそれから一生働かされるのである。その理不尽に気付いていないわけはない。就職してからの不安だって山ほどあった。またしかしながら昔は、人は大人になったら就職するものだ、ということに疑問は持たなかったのである。だから就職し、そして子供だった自分が変わってゆくのを特別嫌悪することなく歳をとっていったのである。
 今は「嫌なことはしたくない」「自分らしい生き方」ということが優先している。しかし実は就職するということが自分の好きなことである確率なんてほんのわずかなものだ。好みの業種の会社に就職できても、好みの作業ができるわけではない。就職=自分探しになんてなるわけがないことを大人はみんな知っている。それを知ったときに若者は就職することを恐れ、また逃げるのである。
 「絶対内定」というよく売れている就活の本がある。この本は、まず就職しろとは言わず、本気の夢を求めよう、というところから始めていく。そして就職とは「なりたい自分」「送りたい人生」を現実の物にするために最初の一歩を掴みとる活動である、と説き、就職することと自己実現を結びつけてくれるのだという。そう持っていかないと就職するという気持ちが持てないらしい。
つまりは自分が好きでたまらないのであろう。著者は言う。こんな甘やかされた若者が増殖していき、その面倒を見てきた親が亡くなった将来はどんなとんでもない世界になるのだろうと。やだな。多分見ることは出来ないが、そんな世界。★★★1/2★。

img20091108_1.jpg「Presents」角田光代。
<この世に生まれて、初めてもらう「名前」放課後の「初キス」女友達からの「ウェディングヴェール」子供が描いた「家族の絵」―小説と絵で切りとった、じんわりしあわせな十二景>
 タイトルは各短編のタイトルが「贈り物」、それも誰かにもらったものであることに由来する。「名前」「ランドセル」「初キス」「鍋セット」「うに煎餅」「合い鍵」「ヴェール」「記憶」「絵」「料理」「ぬいぐるみ」「涙」と並べてみるとつい、では自分はこれまで誰からどんなものをどれだけもらってきたんだろうと思ってしまう。
 主人公はすべて女性、多くは30代から40代(70代が一編あるが)である。まさに著者の十八番の物語たち。すぐその世界に入れて、しばし楽しくまた切ない時間を過ごせたのでありました。★★★1/2★。

img20091108_2.jpg「うさたま妖怪オンナ科図鑑」中村うさぎ 倉田真由美。
<学校やオフィスに「こういうやついるいる!」と誰もが思う、変な女の生態を綴るオンナ科図鑑。「どうしてこんなおかしなことになるんだろう?」という女性の陥りやすい罠をうさたまが徹底分析! >
この「うさたまの・・」シリーズは何冊か出ている。中村うさぎの文章と倉田真由美の漫画のコラボで、肩の凝らない(凝らなすぎ?)読み物である。これは最新シリーズ、連載されているものが一冊分まとまりました、ということである。世のオンナの特性を「子泣きオンナ」「腐れ熟女」「ダンモドキ」等々、妖怪になぞらえて批評し罵りながら、それはいつしか作者に還るという「芸風」である。ただ今回倉田真由美の担当欄が少ない感じでやや物足りない。出てくる妖怪オンナもこじつけっぽくて、いまひとつウィットが足りないと思った。表装、装丁は一番好いが内容はトドメを刺し損ねた感じ。中村うさぎ、毒舌(自虐含む)は自在に横溢して健在であるが、少し飽きてきたかな?書く方も読む方も。★★★。

img20091108_3.jpg「希望ヶ丘の人びと」重松清。
<いじめ、学級崩壊、モンスター・ペアレント、家族の死…。70年代初めに開発された街・希望ヶ丘…そこは、2年前にガンで逝った妻のふるさとだった…。亡き妻の思い出のニュータウンに暮らす父子を描く感動長編>
 著者のこの手の作品は文章やレトリックが似ている印象がある。また登場人物も類型的な感じがする。しかし力業で最後は感動している読後感が好きなのであるが、この作品はそこがイマイチうまくいっていない気がした。
 物語は希望ヶ丘に越してきた一家の奮闘ぶり、ということになるのだが、家族(父親と息子娘)は二年前になくなった母親に対する愛着を(異常なくらい)引きずっている。ここに越してきたのも、母親の育った土地だったからだし、母親が歩いた同じ道を歩いてしみじみとしたり、父親も(多分)そのために職を辞してこの土地で出来る(あまり有望と言えない)チェーンの塾を開設するのである。そしてそこで母親の名残を探し続ける家族。そんな設定、微笑ましいと言うより、なんかキモイでしょう?人間、過ぎ去ったことは忘れて、もっと前向きに歩けよと言いたくなってしまう。
 また父親も亡くなった妻は生きていれば40歳を越えている、長年連れ添った夫婦といっても好いのに、その妻が中学生の頃、初恋だった人に嫉妬したり、逆に妻を昔好きだった男にむかついたり、そんなヤツ居ねえよとね、思っちゃった。また(物語の都合か)その妻が自分の妻であったことを、初恋の相手にも初恋された相手にも言わないでいるのであるが、早々と言った方がずっと気持ちが楽だと思うがどうか。
 また初恋の相手、矢沢永吉かぶれの男も、なんでこんなのに登場人物が感動するのかよく解らない造形である。エーちゃんにかぶれてそっくりなファッションや言動(もっともエーちゃんは誰かに「おい兄弟」なんて呼びかけないと思うが)しているヤツのいうことなんて信用できないと思うのが普通だろう。
 かなり厚い本であるが、なんか中身が薄い。もう少し濃い重松ワールドを読みたかったな。そこんとこ、よろしく。★★1/2★。

img20091108_4.jpg「文芸誤報」斉藤美奈子。
<著者の最新書評集。川上未映子、三崎亜記、有川浩など新しい書き手に注目した週刊誌連載をまとめる。ここでとりあげた劇団ひとり『陰日向に咲く』は100万部突破した。宮本輝、渡辺淳一、ナベツネなど大御所を斬る刀も鮮やか>
 「誤報」とタイトルにあるのは、週刊誌連載時では「予報」だったのであるが、あまりにも予報が外れるので誤報としたとのことである。とりあげられているのはさとう珠緒から渡邊恒雄まで(あまり根拠のないくくりであるが)幅広いというか「とりあえず出ている本を手当たり次第にレポート」している。多いのは、まだ評価の定まっていない、現在(いま)を浮遊している作品群である。その書評と言うより読書ガイドの語り口は、つい読んでみたくなるような軽みに満ちている。最後はこの本自体も評しているが、ま、これは後書きに替えて、である。コンセプトが解りやすくて小気味よい。
 その後書きによるとこの本は「文芸批評でもなんでもなくジャーナリスティックな興味と俗なレビューの集積」と言っているが、この短い文字数の中で(200冊分も)的確に大筋をまとめ、評価し、あるいは揶揄し、しかも読んで楽しめるものを書くというのはかなりの筆力とセンスが必要だろう。最初軽く読み始めたが後半になるとすごいなと感心してしまった。
 また巻頭に「文学作品を10倍楽しむ方法」というのが書かれてある。曰く「小説に教訓を求めるな」「小説のテーマを考えるな」「登場人物に共感を求めるな」「美はゆがみにこそあると思え」「物差しはたくさん持て」等々。つまり読書というものは、肩肘張らず楽しむためにするものだと言いたいのだろうと思う。その点大賛成である。ケータイ小説もカラマーゾフの兄弟も同じ地平で読まれてしまうこんな時代には、小賢しい屁理屈はいいから楽しんで読みなよ、と言っておこう。★★★★。 

もう少し いて欲しい [2009年11月01日(日)]

img20091101.jpg「葛飾北斎・春画の世界」浅野秀剛編著。
<「好色堂中」「欠題組物」という本邦初公開の2作品を含む、葛飾北斎の春画全54点を完全無修正で掲載。艶色と淫猥を絶妙なバランスで表現する春画作品集。>
 うーむ、ここまでの絵が「墨塗り」もされずに出版されるような時代になったのだなあ、というのが恥ずかしながら最初の感慨であった。嘘も隠しもない、堂々たる枕絵の開陳である。その感慨を越えて絵を見ていくと江戸の人たち、庶民も武家も含めての、息をのむ音が聞こえてきそうな色っぽさである。
(ほとんどが性交図であるから当然かもしれないが)様式化された人物や体勢なのに、段々生々しい感じがしてくる。江戸の子女も、まあはしたない、とか言いながら顔を赤らめていたのであろう。その光景さえ見えそうであった。さすが北斎というところか。
 また大昔、外国の女性が日本男児に「ウタマロ」とか言って憧れている、という意味がいまいち理解できなかったのだが、この春画を見て合点がいった。局部、すごいデフォルメである。これは当時の春画のお約束であったようだが、これを本気にしたんだな。★★★★。

img20091101_1.jpg「徳川将軍十五代のカルテ」篠田達明。
<健康オタクが過ぎた家康、飲酒が高じて食道がんで逝った光圀…。芝・増上寺にある徳川家霊廟で発掘された遺体や文献をもとに、歴代将軍を最新医学で診断してみると―。彼らはどんな養生法を心掛けていたのか、そして死因は、さらに世継ぎをもうけるための苦心とは?史実には顕れぬ素顔が見えてくる。 >
 徳川家将軍の15人+結城秀康、松平忠輝、水戸光圀の病歴及び死因を解説したものである。いままで本やテレビ等で彼らの人生を何度も見せられている我らであるが、病歴、ということで追っていくと、意外な側面が見えてくる。例えば3代将軍家光はうつ病であったこと、犬公方と呼ばれた綱吉は124cmくらいの低身長症であった、という説、篤姫の夫、家定は幼いときの脳性麻痺による重度の障害者であった、ということ、9代の家重も障害者であったらしいが(秩序を守るためか)将軍に据えたという当時の感覚を著者は評価している。
 そう彼らは時代劇の登場人物ではなくて我らと同じ、実在した人間である。病気があり生活があり、それが一面、本当の姿だったことを想起させられた本であった。★★★★

img20091101_2.jpg「幕末の毒舌家」野口武彦。
<陽の当たる場所にいる連中を、こきおろすのが好き! 幕末の貧乏旗本・大谷木醇堂の遺した著述を読み解き、その不平に満ちた視角から、社会の混乱と人々の異様な生態をリアルに描き出す>
 1838年生まれ1897年に60歳で没した大谷木醇堂という人物が書き残した(書き散らした)膨大な著述、放言を解説したものである。史実に即した資料も勿論貴重であるが、このようにやや偏屈な人物がひねくれた(本人にとっての事実)意見を開陳したものも、却って当時の空気が分かるような場合もある。その意味で面白かった。
 幕末とは勿論のちに幕府が終わったから幕末なのであるが、しかしこの幕末の空気は長い徳川の治世にみんなが飽き飽きしていたこと、また末期症状をていしていたことで、自己崩壊的に幕末になったのだと著者は言う(昨今の政権のようであるが)。武士の間でも、身分制度、家格、才能があっても出世の見込みのない社会、多年にわたる万年下積みの恨み辛みが飽和状態になっていた。それがおのずと「幕末」を招いたのである。
 ただ読んでいると、当時の人も今の人も、同じように怒り、笑い、泣き、ヒガみ、威張り、悩んでいる。江戸時代という背景の中でそんな暮らしをしている人々にふと愛しい感じがして読み終えた。★★★1/2★。

img20091101_3.jpg「無駄学」西成活裕。
<無駄とは何か? そのメカニズムとは? 社会や企業、家庭にはびこる「無駄」を徹底検証し、省き方を伝授。トヨタ生産方式の「カイゼン現場」訪問などをヒントに、まったく新しい学問が誕生した。さらにポスト自由主義経済の新経済システムまで提言する>
 無駄をいかにして排除するか、無駄とは何か、という内容である。読んでいると、つまり費用対効果のことを言っているような気がした。この場合費用とは広範に考えて、金銭に換算できるあらゆるもの、例えば時間や労力などである。それを投入していかに効率的に果実を収穫できるか、といういわば当たり前のことを語っている印象であった。
 工場などの作業の効率化という意味では有意義であるが、その他人生にいくらもある無駄は、時には人生の余得に変わることもあるのではないか?と無駄の好きな私は思う。しかしそういうテーマの本じゃないと著者は言いそうであるな。★★★。

img20091101_4.jpg「鬼の跫音」道尾秀介。
<心の中に生まれた鬼が、私を追いかけてくる。―もう絶対に逃げ切れないところまで。一篇ごとに繰り返される驚愕、そして震撼。ミステリと文芸の壁を軽々と越えた期待の俊英・道尾秀介、初の短篇集>
 6編の短編集。タイトルの「鬼の跫音」という名前の章はない。近いのは「冬の鬼」である。これは日記が逆順に1/1~1/8の8日間が綴られて、最後に真実を知るわけだがそうなって、逆順に書かれてあった意味、またその後に書かれた内容のなんでもないような描写が意味を持ってくる、背筋がぞっとするような短い物語である。また全体にそんな味わいの短編集である。
 各編全部にSという人物が登場するが、何らかの作者の意図があると思われるが、同一人物ではないし、似たキャラクターではない。象徴でもないようであるが、そのことで各編が細い糸で綴られているような気がした。内容は上質のホラーであると思う。静謐に囁くように語られて、夜更け一人で読んでいたら思わず背後の闇を振り返りたくなった。★★★★。

ベイビイ [2009年10月24日(土)]


ぼくのベイビイが髪を切った
あんなに長くて 
裸のベイビイを隠すように守るようにまといついていた髪を
邪魔者を棄てるように 
ぼくのベイビイが自分で切った
そのうえ赤く染めたので 火の玉坊主みたいだった
それでもぼくは<可愛いよ ベイビイ>と 言ってやった
ぼくのベイビイは<そうかしら>と はにかんだ
やっぱり火の玉坊主みたいだった

ぼくのベイビイがドレスを買った
剥き出しの硬そうな乳房やお臍やベイビイのベイビイも全部
ドレスの下に見えなくなってしまった
まだ上手く歩けずに 転んでハイヒールの踵を折ってべそをかいたりした
それでもぼくは<きれいだよ ベイビイ>と 言ってやった
ピンク色のお腹は見えなくても 昔よりたしかに色っぽくなった

img20091025_1.jpg


ぼくのベイビイが化粧をした
口紅 頬紅 マスカラ ファウンデーション マニキュア 
そのほかぼくの知らない化粧品を器用に使って化粧をした
この前まであんなに頭の悪かったぼくのベイビイは
天才のプログラマーみたいにたくさんの化粧品を使い分けた
ぼくはベイビイを馬鹿に出来なくなった
ぼくのベイビイは人形みたいに素敵だった
だけど今度は ベイビイに何も言わなかった
ぼくはこっそり
ぼくのベイビイが昔みたいに真っ黒な顔で
鼻の下にうっすら産毛を生やして
麦わらの匂いや 時には石鹸の匂いをさせて
ぼくに毒づいたり ぼくが抱きつくと<ちくしょう ちくしょう>と 
男の子みたいに叫んでいた頃の方がいいと思った

いま ベイビイは人形
いま ベイビイは色っぽくてきれい
ぼくによそよそしくて 話しかけると
<そうですの>とか <おほほほ>と笑ったりするだけだ

ベイビイ ベイビイ
ぼくのベイビイは変わってしまった
ぼくがこの前 ベイビイがお風呂に入るのを覗いてみたら
荒々しいおばさん達の入ったあとの 毛や垢の浮いた湯舟に
しずしずと前を隠して入ってきた つんとすまして

昔 僕たちが入っている中にだって
平気で飛び込んできたベイビイとは別人のようだった
ベイビイは抱えきれないほどの化粧品を抱えて そのうえ
ハイヒールなんか履いてるんで
途中で大きくすべってひっくり返ってしまった
ぼくはおかしくて クスクス笑っていたんだけれどベイビイは
誰も居ない風呂の中で
<あらまあ おほほほ>と すまして笑っていた
ぼくのベイビイはほんとに変わってしまった

ぼくはベイビイにそれを言って からかってやったんだが
ベイビイに言わせると
それが大人というものなんだそうだ

ぼくのベイビイは大人になったんだ
あれからベイビイはますます気取って近寄りがたくなった
ぼくは相変わらず土の上でいろんなことを考えているが
この頃 なぜか
泣きっぽくなったような気がする
近いうちに旅に出ようとも思っているのだ
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